第12回読む哲学カフェ「芸術とは何か?岡本太郎で考える」




「芸術は挑みであり、理解、無理解を超えての、強烈なコミュニケーションです」

   

    -対極と爆発- 岡本太郎著より





前回のバタイユの回で岡本太郎とバタイユの親交に興味を抱いてしまいました。なぜいま岡本太郎なんだろう?そんなことを思われた方もいらしたかもしれませんが、資料を作るために岡本太郎を調べれば調べるほど、いま、まさに岡本太郎が必要なのだ!という意気持ちにならざるをえませんでした。で、せっかくみなさんとわかちあうわけですから、できるだけ一般的で普遍的な彼の生い立ちや人生を背景にして語り合いたいと思い、岡本敏子の甥でもある平野暁臣氏による著書「岡本太郎 太陽の塔と最後の戦い」より、第3 章・岡本太郎の誕生を参考に太郎の思想に近づいてみようというコンセプトで開催しました。



岡本太郎略歴

1911年2月26日、太郎生まれる 父は漫画家の岡本一平、母は歌人の岡本かの子。

6歳 小学校入学するも1学期で退学 7歳 慶應義塾幼稚舎入学

14歳 処女作《惨敗の嘆き》を制作

18歳 東京美術学校入学、半年で退学、両親とパリへ。

20歳 リセでフランスの一般教養を学ぶ。

21歳 ピカソに感動し抽象芸術の道を目指しパリ大学の聴講生になる。

22歳 抽象芸術へ傾倒アプストラクシオン・クレアシオン協会に最年少で参加。

24歳 具象主義への転換

25歳 バタイユとの出会い。アプストラクシオン・クレアシオン協会をだったい。

コントル・アタックに参加。

26歳 処女画集『OKAMOTO』を出版

27歳 シュルレアリストと交友、国際シュルレアリスム・パリ展に《痛ましき腕》を出品

28歳 岡本かの子死去

29歳 最後の引揚げ船で帰国

30歳 二科賞受賞

31歳 中国戦線へ出兵

35歳 復員

36歳 二科会員になる

37歳 敏子と出会う、父・岡本一平死去

38歳 油彩画の躍進

39歳 対極主義の表明、対極主義美術協会の結成を呼びかけるも賛同得られず

40歳 縄文土器との出会い

41歳 壁画第一号完成

43歳 青山に自宅完成

45歳 都庁の巨体壁画を制作

48歳 沖縄と出会う

49歳 琉球に魅せられる

50歳 二科会脱退

51歳 母の記念碑建立

53歳 東京オリンピック参加記念メダルを制作

54歳 名古屋・久国寺に梵鐘《歓喜》を設置

55歳 数寄屋橋公園に《若い時計台》を設置

56歳 大阪万博のプロデューサーになる

57歳 メキシコにアトリエを構える

59歳 大阪万博開催

60歳 パリ、フォーブルサントノーレの芸術祭、街の美術館に彫刻《祭りの王様》を出品、祭りの王様に選ばれる

61歳 札幌冬季オリンピックの公式メダルを制作。ミュンヘンで開催されたシュールレアリスム展に《痛ましき腕》を出品。ルーヴル美術館内装美術館を巡回。ミュンヘンオリンピックの公式メダルを制作

64歳 太陽の塔、永久保存が決定

70歳 「芸術は爆発だ」で流行語大賞の語録賞を受賞

73歳 フランス政府より国家功労勲章勲4等を受ける

75歳 「なんだこれは!」が流行語になる

76歳 俳優デビュー

77歳 アメリカの第29回国際放送広告賞を受賞

78歳 フランス政府より芸術文化勲章を受賞

84歳 急性心不全にて死去、さよなら太郎。

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万博で太陽の塔を直接見たことのある私としては、若い皆さんと「岡本太郎」を分かち合いながら、時代背景の違いをしみじみと感じました。私が子供のころ、この太陽の塔が生まれたころ、日本は高度成長期のさなかで、現代社会よりもうんとうんと貧乏なのに、とても心が豊かに前向きだったように思います。


日本中が、このままでいいのだ!このまま成長していれば幸せな未来がくるんだ!と信じていたその時代に、岡本太郎をはじめとして、様々な分野の表現者たちは科学の波立や産業が成長すればよいのだ!という風潮に疑問を感じ警告していたのだなぁという事実をあらためて認識しました。

あの頃、私は小さくて、まだそのようなことに気が付きもしませんでした。

ただ、家にテレビが来たとか、車が買えたとか、そのようなことに一喜一憂していた時代でしたから・・・


だからこそ、若い世代の方々と語り合うには「岡本太郎」で交わるということは非常に有効であると思えました。


会でも参加者から「感覚で共有できる」というような言葉が出ましたが、まさに「岡本太郎」という人は、大空にはばたくこいのぼりのように、日本人全員に感覚として共有される壮大な芸術を啓蒙しようとしていたのかもしれません。


そんな彼は

・芸術は呪術である

・芸術は大衆のものである

・芸術は爆発だ

というように芸術を形容しています


岡本太郎にとっては

芸術=生きること

だったのでしょう・・・


 

今月は女優・山内理沙ちゃんも参加してくれて、デザイナーやシンガーさんも、もちろん一般職の方もいらっしゃるわけで、作分野からのご参加でしたので、人生そのものの表現者としての意見がたくさん出て実り多かったと思います。いや、毎月、実りが大きく、そして、毎月実る果実も違うわけです。たまりません。

《芸術とは何か?》

結局、私たちは90分かけて岡本太郎の言葉を読み解きながら、芸術とはなんであるとしたのかといえば。・・・・様々なご意見がたくさん出まして、本当に嬉しかったです。

今回もご参加いただきまして本当にありがとうございました!次回は3月7日ですよろしくお願いいたします!

 

最後に、今回のカフェを通じて1篇の詩を制作しましたので記載させていただきます。

 

「芸術とは何か」

 

芸術は、あなたであり私である


芸術は、生であり死である

芸術は、欲であり醜である


芸術は、吸うものであり吐くものでもある


芸術は、嘘であり真実である

芸術は、男であり女である

芸術は、空であり海である

 

芸術とは何か?

多くの芸術家と呼ばれる人々は語りかける

 

その作品を通じて

その人生を通じて

アクションを起こせ!

とにかく動くんだ!

それが芸術なんだ

対立してもいいから阻害するな

赦す必要はないだから忘れるな

 

そうやって人は生きてきた

そうやって人は生きている

 

朝、私はこうつぶやこう

「今日も良い芸術を!」

 

夜、私はこうつぶやこう

「明日も良い芸術を!」

 

私は私の呼吸さえもが芸術なのだと

覚悟を決めるしかないのだ

 

それが芸術(生きる)ということだろう。

 

2014.2.8 小西とっこ